WORLDWIDE ROCK

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1951年のロック

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今回は1951年のロックについてです。

 

1951年はロック史にとって重要な年でもあります。

 

リズム・アンド・ブルースがロックンロールに昇華したのです!

 

取り敢えず難しい話は抜きで、この年の代表曲を見てみましょう。

 

 

1曲目に注目して下さい。ROCKET 88は世界初のロックンロールレコードです。

 

ジャンプ・ブルースでも、リズム・アンド・ブルースでもなく、ロックンロールなんです。

 

ブルースで有名なチェス・レコードから発売されたこの曲はジャッキー・ブレンストンと彼のデルタ・キャッツ名義で出された曲ですが、実際はアイク・ターナーのバンド、キングス・オブ・リズムの変名でした。

 

この曲が従来の曲と異なるのは楽器隊の暴れ方が凄まじいのです。間奏部分ではブギウギピアノ、サックス、ドラムス、ベース、アイクのギターが同時に大音量で鳴り響いています。

 

今までの世界初のロックンロールレコードものは歌詞にROCKという単語が入っていたり、リズムがロックンロールのそれだったり、悪く言えば1点だけを取り出して認定していたような物でしたが、この曲に限って言えば、上記の2点はもちろん、その後のロックンロールの特徴をおおよそ捉えています。

 

ブルース・コード主体、ブギウギピアノ、ブラスリフ、ROCKET 88という単語、間奏のどつき合い、ギター締め、この曲こそ世界初のロックンロールの称号を与えるのに相応しい曲です。

 

2曲目と10曲目に収録したレス・ポールとメアリー・フォードは実の夫婦であり、50年代前半を代表するポップ・グループであると同時にレス・ポールのギターを前面に押し出したサウンドで大ヒット曲を連発しています。

 

レス・ポールはその名で気付いた人も多いと思いますが、ギブソン社のレス・ポール・モデルの元となった人・・というか、共同開発者であり、諸説ありますが、エレキ・ギターを発明したとも言われています。

 

5曲目に収録したのはフォールアウトでお馴染みのシックスティ・ミニッツ・マン。この曲の内容は「必ず60分間は楽しませてからイかせる」という破廉恥極まりない代物ですが、ジャズ・ボーカル・グループの時代から、リズム・アンド・ブルースを歌うドゥー・ワップ・グループの時代の始まりを告げる曲でもありました。

 

8曲目に収録したのはB.B.キングの代表曲であり、デビュー曲の「スリー・オクロック・ブルース」これはローウェル・フルソンのカバーでしたが、見事にB.B.キングの色に染まっています。

 

13曲目に収録したのは1953年に亡くなってしまうハンク・ウィリアムの「ヘイ・グッド・ルッキン」彼はホンキートンクを中心に歌っていましたが、黒人音楽を吸収し、カントリー・ブルースも歌っています。歴史に"もしも"は野暮と言うものですが彼がロックンロール時代にも生きていたら、どんな音楽を奏でていたのか興味があります。何せ、ロカビリーの原型を作ったのですから。

 

19曲目にはジョン・リー・フッカーの「アイム・イン・ザ・ムード」代表曲であり、大ヒット作です。50年代中盤頃ロックンロール黄金期にブルースは姿を消しますが、60年代に彼を含めたブルース・ミュージシャンをリスペクトする英国のミュージシャン達が敬意を示し、ブルース・ロックを生み出します。

 

名曲揃いの1951年でしたが、1952年には定番中の定番になったあの曲が登場します。

 

ジョニー・バーネット、ヤードバーズエアロスミス、シーナ&ロケッツ・・ピンと来ましたか?